入浴の介護をする際、抑えるべきポイントの一つとして挙げられるのが、対象者の身体を冷やさないようにすることです。入浴は身体を清潔に保ち、心身のリラックスにもつながります。しかし入浴中は温度が急激に変化しやすく、体調を崩しやすいです。そこで体調を崩さないようにするために、常に対象者の身体を冷やさないように気をつけていきます。
まず、入浴前に、浴室と脱衣室の温度を温めておきます。できるだけ普段生活している部屋と同じ温度になるようにしましょう。他の部屋との温度差を少なくすることで、血圧の急激な変化を防ぎます。また、手すりや椅子など、利用者の肌が触れる部分もシャワーを当て、温めておきます。浴室の椅子に関しては滑りを防止するため、タオルなどを敷くのも効果的でしょう。身体を洗う際は、まずお湯を足元からかけ、髪・顔・身体と洗っていきます。声をかけてからお湯をかけることで、ビックリして心拍数が増加するのを防ぎます。髪・顔・身体を洗う際は洗面台などに足をつけてもらうのが効果的です。足元から常に温めることで、身体が冷えるのを防ぐのです。
また、入浴介助を行う際はできるだけ体を冷やさないよう努めることが大切ですが、湯船の温度の方は熱くしすぎないよう注意しましょう。あまり熱いお湯に浸かってしまうと、血圧が急激に変化する恐れがあるからです。湯温は40度程度、血管に障害がある場合や夏場は35度程度に設定し、湯船に浸かりすぎないように心掛けましょう。入浴の介護の際は、できるだけ血圧の変化を生じさせないように環境を整えることが重要なのです。