寝たきりの人への入浴介助では、介護施設によっては、ストレッチャーに寝かせた状態で入れることができる介護用浴槽が置いてあるところもあります。しかし、それがない施設ではストレッチャー上でのシャワー浴が基本となります。寝たきりの人を入浴用ストレッチャーへ移す時には、入浴者の体の下にバスタオルやシーツを敷くことが多いです。そのバスタオルやシーツを2~3人の職員でハンモックのようにして持ち上げます。入浴者がストレッチャーに移ったら2人の職員が両側に立ち、片方の職員が入浴者の肩と臀部あたりに手を添え、入浴者の体を斜めに浮かせます。そして、もう片方の職員がズボンやおむつなどを脱がせ、これを左右に行うことで脱衣させます。
脱衣が終わると、シャワーで入浴者の体を洗っていきます。ストレッチャーには柵があるので一人の職員でも対応ができますが、背中や臀部を洗う際にはもう一人職員を呼び、体を斜めに浮かせてもらって洗います。さらに、入浴者をストレッチャーを使って洗う際は、プライバシーにも配慮してバスタオルなどを掛けると良いでしょう。バスタオルにシャワーの湯を絶え間なくかけることで、入浴者の体を温かく保つ効果もあります。入浴者の体を洗った後、シャワーでしっかり温めたら、脱衣所のストレッチャーへ移動します。移す前にはまた2人の職員で交互に入用者の体を浮かせて、入浴者の下にバスタオルかシーツを敷き、それから移乗します。
脱衣所のストレッチャー上では、敷いていたバスタオルかシーツは濡れているため外します。衣類の着用後、またきれいなバスタオルかシーツを入浴者の下に敷き、元々乗っていた車椅子などへ移乗します。